ミッション2025

私たちは活動を通じて、多くの個人の心の問題に接してきました。心身共に個人の自立は難しいと感じられるようになりました。それは、働く世代層、青少年層のどちらにおいても深刻化していると感じられてなりません。本来は、心の問題を共有する場であるはずの家庭も、その機能を充分に果たせなくなってきているようです。

厚生労働省の調査統計資料によると、日本における心の病外来患者数は2002年の224万人から2020年には586万に増加し、ここ20年間で2倍以上に増加しています。心の病を一言で表すなら「ひずみ」です。

ひずみの公式は…
個人の心 < 家庭 < 社会< 世界

すべては繋がっています。ゆえに「世界のひずみの正体を知ることで個人の心のひずみも解消に向かう」私たちはそのように考えています。

現代社会を生きる私たちの課題は、規模の大小にかかわらずどれも複雑に絡み合ったシステム的なものばかりです。だからこそ、英雄のような個人のリーダーシップではなく、集合的なリーダーシップがその課題を解かす鍵だといえるでしょう。

実践コミュ二ティとは、あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人の集団のことです。

変化の激しい昨今、当法人では持続的な活動を実現するために、単に会費や寄付金で繋がるネットワークではなく、知識を中心とした自発的な組織(実践コミュ二ティ)を基盤とする考え方を大切にしています。

個人の尊厳を守るために世界のひずみを考える”これが、当法人が設立以来18年にわたって「相談支援活動・情報提供活動」を通じて、社会へ向けて「共有」を呼び掛けてきたテーマです。

きりがないほどの社会のひずみ、将来への不安材料は尽きません。ひとりの力には限界があり、ひとりの善は潰され易く、未来に対する希望を育むことは容易ではありません。

しかし、誰かが変えてくれるのを「待つ」という生き方は自らの命を捨てるに等しい行為に他なりません。私たちには、個人の特性、専門性による力を発揮して未来を創造する力が宿っています。過去、先代の方々が紡いで下さった文化、世代を超えて継承されてきた思想の中に私たちは「今」生かされている、このことが人間の創造力の証なのです。

縦割り社会・ピラミッド型社会によって産み出された社会問題は、横割り社会がなければ解決できません。そして、それを築くためには「心の軸」となる場所が不可欠です。当法人は、一人でも多くの方の心の拠り所となれることを目指して活動を継続してまいりました。そして、それはこれからも変わることはありません。誰もが自分の存在意義を感じられる社会の実現のために、皆様と繋がり、共に貢献できることを願っています。

2025年12月
NPO法人情報共有ネットワーク
代表 緒方健太郎

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